企業の論理と個人のモラル 

フォルクスワーゲン・旭化成建材・東洋ゴム。
ここ1か月ほどで、これらの会社のデータの改ざん等が報じられた。

「一生に一度の買い物」として、大金を投じてマンション・住宅を購入した人々は、人生を狂わされたと言っても過言ではないだろう。「企業の論理」が人々の人生を台無しにする出来事は珍しくない。

先日、とある塾のブログを見ていたら、「Vもぎ」対策を行った結果、大幅に成績が上がったというものがあった。

以前も書いたが、「テスト対策」などというものは、スポーツで言えばドーピングに等しいものであり、受験に直結する3年生の定期テストなら、百歩譲って、まだ許されるとしても、「実力を測る=今後の学習指針を構築する」「実力を測る=志望校の合格可能性を測る」ことを目的とする「模擬テスト」で行う意味はない。

ドーピングをして実力以上の結果を得たところで、そこで出た志望校判定を前提として受験をすれば、不合格になる可能性が高いことは、だれが考えてもわかることだろう。

また、正確な実力の把握なしに、志望校合格への学習計画の構築も不可能である。個々の塾を批判するつもりは毛頭ないが、これで「うちの塾では、成績が上がります」と言ったところで、生徒及び保護者、入会希望者をだましているに等しい。

結局、これも「自らの塾の生徒数を増やしたい」ことが、根底にあるのだろう。

自分(塾)の利益のために「目先の結果に過剰にこだわり」「生徒に努力させることなく、手っ取り早い答えの出し方のみを教える(効率の良い学習と言うようだが)こと」で、生徒たちの思考力・粘り強さを奪うやり方は、「生徒たちの将来を暗くすること」につながる危険が大きい。

きれいごとは好きではないのだが、「教育」とは「社会で生きるために必要なことを育む」ことが最大の目的であり、社会生活を営む上で本当に大切な「思考力」「粘り強さ」などを奪う「テスト対策」「答えの出し方のみを教える効率の良い(本当は違うのだが)学習」は、いい加減、やめるべきではないだろうか。

「企業の論理」で、人の人生を台無しにすることは許されるべきでない。

 

ハイブリッド指導学習塾リアライズ
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