《会社(法人)である》2

これも塾に限ることではありませんが、ほぼ全ての会社において、ノルマの達成は最優先です。さらに、それに加えて、どれだけノルマを越えられるかということも最重要の評価基準となります。私(リアライズ塾長)が以前、勤務していた数十教室を有した塾では、ドヤ顔で「一人の生徒に、40万円、講習を取らせた」「俺は、60万円取らせた。これは記録だ。」などと自慢する教室長が、何人もいました。経営陣は、これらの教室長を高く評価し、研修を開いて、「どのようにして、一人の生徒から大金を巻き上げるか」について、全社員の前で話をさせ、全社員にこれを見習うことを指示しました。

私は、小心者なので、自分の教室の生徒には、必要最低限の費用しか負担させないようにしていたため(生徒や保護者の顔を思い浮かべると、そんなことができるはずもありません)、昇進も遅く、昇給やボーナスの査定も下から数えた方が早いという状況でした。

これに対し、堂々と「生徒や保護者の財布のことまで考える必要はない」と言い放ち、本社の顔色を伺いながら、売上の最大化を最優先する教室長は、昇進も早く、昇給・賞与の査定も高かったようです。

会社(法人)の存在目的を考えれば、当然といえば当然すぎる話かもしれませんが、日本全国に今でも、このような塾に通っている生徒とその保護者の方のことを考えると心が痛みます。

その後、法人が経営する塾を退職し、個人で塾を始めて今年で17年目になりますが、以前、勤務していた塾は数年前に倒産してしまいました。「塾の利益の最大化(この場合、塾が得をするだけ、生徒は損をします)」を基準とするのか、「塾と生徒の利益が最大になるよう、どこでバランスを取るのか」を基準にするのかによって、どちらが正しいのかは意見が分かれるのでしょうが、「自分が儲けるために、生徒とその保護者の方に、不必要な費用を負担させる」ことをしないで済む今の環境に満足しています。