公立中高一貫校受検に必要な能力とは

■私立中学受験で求められている能力とは全く違う

私立の中学受験では、計算速度や正確性、知識の量が問われています。

これらは基本から発展問題まで、レベルの差はあれど「1つの正しい答えを探し出せる」能力が問われていると言えます。

一方、公表されている公立中高一貫校の出題方針は「思考力、判断力、表現力を活かして問題を解決する総合的な力をみる」というものです。

解法を身に付けさせれば解ける私立中学の入試とは違い、公立中高一貫校の適性検査には「こうすれば解ける」という方法が存在しません。

年々志望者が増えているにも関わらず、大手中学受験塾で専門コースが未だに作られないのも「合格させる」ためのメソッドを確立することが出来ないからに他なりません。

 

■「思考力、判断力、表現力を活かして問題を解決する総合的な力」とは

公立中高一貫校の問題では、どこかで見たことがあるような問題はほぼ出ません。

出題されるのは、規則性などを発見してその場で解法を生み出す問題や実験結果や資料を与えられてそこから考察する問題、或いは作文など。

こうした問題に対応するために必要なのは「自分の体験や知識を活用して、自分なりの答えを作り出す力」です。

では、従来の「解き方を教える」授業では通用しない適性検査に対してどのように勉強していけば良いのでしょうか?

 

読解力・思考力・自ら学ぶ力を育てるリアライズ

■リアライズの基本理念

リアライズでは小学生の時期をスポーツにおける基礎体力にあたる、「思考力」「読解力」「考える姿勢・習慣」を身につけるべき時期だと考えています。(非受験コースも合わせてご覧ください)

安易に解法や解答を教えるのではなく、「何故そうなるのか」「どうしてそう考えるのか」といった思考力の育成に重きをおいた授業を展開しています。

また、机上の学習のみにとらわれず様々な知育教材などにより「体験と学習」を結びつけることで、学習への興味・関心を引き出すことを目標としています。

 

■中高一貫校志望者への指導方針

①現実世界を知る
「体験・経験」「現実社会」と学習内容を結び付けることによって、学習への興味・関心を引き出します。また、これにより学習に対するモチベーションを高めます。

②読解力の向上
「読書」「新聞」などを通じて、読解を中心とする日本語の習得を目指します。塾内には小学生用・中高生用・一般用の各新聞他、多数の書籍を取り揃えております。

③表現力の向上
作文を通じて表現能力の向上を目指します。また生徒が導き出した解答に対して生徒自身に思考過程まで説明させ、自らの考えを他者に対して説明する力をつけさせます。

④常に思考する
「正解が出れば良い」「解答欄を埋めれば良い」「指定の範囲を終わらせれば良い」となりがちな学習姿勢を是正します。また勉強のみならず日常生活においても本来の目的が何なのかを考えさせ、考え得る選択肢の中から最善のものを選べるようになることを目指します。

 

公立中高一貫校受検が始まる以前から、上記の指導方針を掲げ続けてきたリアライズだからこそできる指導法があります。

まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

 

公立中高一貫受検の悲劇

東京都で公立中高一貫の受検が始まって、今年で16年になる。当リアライズも、数は少ないもののこれまでに、小石川・両国・白鷗などに生徒を送り込んできた。

タイトルの「悲劇」とは、合格者ではなく、他塾で「公立中高一貫講座」などを受けた後に不合格となり、中学生になってから当リアライズに入塾してきた生徒たちの話である。

今年(2018年)6月13日の朝日新聞に都立両国高附属中の鯨岡広隆校長の「こうしたら受かるという答えは塾にもないだろう。言えるのは、受かった生徒は本や新聞を読むことが好きだということぐらいだ」という談話が載せられていた。「こうしたら受かるという答えは塾にもない」という点については、中学受験の最大手である「SAPIX」や「日能研」が手を出してこないことも一つの証左であろう。

これまでに「公立中高一貫講座」を設けている塾にかつて勤務していた先生たちと「公立中高一貫」について話をさせて戴く機会が少なからずあった。そこで表では絶対に口に出せない本音を聞くこともあり、大まかにまとめると以下のようなものであった。

 

・合格する可能性がある生徒は最初から決まっており、合格者はほぼ全員、その中から出ている。どういう子かというと、先天的に能力が高い子である。

・授業に本当について来れる子は、10人中2人くらい。残りの8人は本人の能力に対して内容が高度すぎて、ただ受けているだけになっている。

・講座を持っていると生徒が集まるため開いてはいるが、合格する子のほとんどは講座を受けなくても受かるし、不合格者のほとんどは何をどうしても合格レベルまで引き上げることはできない

・合宿はただの金集めと思い出作り。行っても何の役にも立たないが、参加者数のノルマが厳しいため、必死で参加するように説得する。

 

「学習」の定義を「授業を受けること」ではなく「理解し、身に付けること」に置くのであれば、絶対に守らなければならないことが2つある。一つは、本人の現状に「レベルが合っていること」、もう一つは本人が身に付けるために必要な「最低限の労力と時間をかけること」である。

都立の中高一貫校の難易度は、一般的な「偏差値」には馴染まないものの、首都圏模試では63~70となっている。これを一般的な高校入試に置き換えると70は優に超えるであろう。このレベルの授業内容を偏差値50台の「普通の子~まあまあできる子」が受けたところで、ほとんど身に付くことはないと断言できる。「公立中高一貫講座」を持つ塾の決まり文句(実はマニュアル化されたセールストーク)として「仮に不合格だったとしても、学んだことは無駄になりませんから」というものがあるが、ほとんど身に付くことなく費用と時間をかけることは「無駄」以外の何物でもない。

それでは、何が「悲劇」なのかと言うと、他塾で「公立中高一貫講座」を受講してきた生徒の殆どが実力を遥かに超えたレベルの授業を受け続けたあげく、もっと基礎的な内容の「本質的な理解」ができていないということである。そして、それが中学以降の内容を理解する上での障害となっている。

中学校の学習内容を「本質的に理解」するためには、小学校の内容を「答えの出し方」ではなく、「本質的に理解」しておくことが不可欠である。本人の身の丈を越えた「公立中高一貫講座」ではなく、もっと基礎基本レベルの授業を受けるべきであり、それが中学~高校~大学における高いレベルでの理解への礎となる。

一例をあげると中1で学習する「文字式」「方程式」の文章題でつまずく様な生徒は「公立中高一貫講座」ではなく、「比例」「割合」「比」などの本質を理解することに時間を使うべきである。この3つの単元は本質的には同じものであり、それが理解できていれば、どの様な応用問題であっても、他者に教わることなく自力で解くことができる。乱暴な言い方をすれば「応用問題」の解法を自力で見つけることができずに、教えてもらわなければ解くことができないような生徒は、都立の中高一貫校に合格することは難しいし、仮に合格したところで、その先は苦難の道が待ち受けている。

当リアライズにも「公立中高一貫」を希望する保護者の方からのご相談が時々あるが、以上の内容をご説明し、本人の現状を把握した上で、その子の今後にとって最善の内容を学習して戴くことにしている。