過去問を使うべき時期とその使い方を本当に正しく理解していますか?①
世の中に「とにかく過去問を何度もくり返した」といった情報がよく出ているせいか、「過去問をなるべく早くから始めて、何度も解けばいいのではないか」といった誤った考え方をもっている生徒・保護者をよく見かけます。
成績が思うように伸びないとこうした情報に踊らされ、「それでも過去問を研究すればなんとかなる」といった誤った認識をもってしまうのでしょう。
誤解を恐れずに言いますが、過去問は合格した受験生も不合格になった受験生も、ほとんどの受験生が多かれ少なかれ解き、研究しています。
そう、不合格になった受験生たちもちゃんと過去問は解いていて、それでも落ちているのです(ただしそんな情報はどこにも載らないだけです)
過去問を解いていない受験生は、むしろ合格者の方にいます。
その学校を滑り止め程度に考えており、ろくに対策を行わなかったというタイプの受験生は確かに存在します。
合格するために必要な学力より、はるかに高い実力があれば対策なんて必要ない、というのは納得がいく話ではないでしょうか。
過去問をどれだけ解いたか、研究したかで合否は決して決まりません。
過去問が与えてくれるのは、出題形式や時間配分に対する慣れといった表面的なものであり、受験生の学力そのものを伸ばすわけではないからです。
結局ものを言うのは、それまでに積み重ねてきた勉強(の質と量)に裏打ちされた学力なのです。
恐らく過去問研究で大逆転した(と思っている)人たちの多くも、それ以前に行ってきた勉強の成果が、過去問研究をしている時期に結実したに過ぎません。
以上を念頭に置いた上で、過去問に対する正しい取り組み方を時期別に検討していきましょう。