過去問を使うべき時期とその使い方を本当に正しく理解していますか?⑤
入試直前期(11月中旬~2月)
過去問を解きたくて仕方がなかった皆様、お待たせいたしました。
ついに!志望校の過去問に本格的に取り組むべき時期がきました。
そして、この時期がきてしまったらまだ学力に不安が残る受験生も、過去問から逃れることはできません。
過去問を解きながら、不安が残る分野の学習を並行して解いていかなければなりません。
さて、肝心の過去問への取り組み方ですが、ただただ闇雲に解き続ければ良いというわけではありません。
入試問題は難易度の差は当然ありますが、偏差値40の学校も偏差値70の学校も、問題を解くうえで用いるルールは変わりません。
つまり、これまでに十分な学習を行ってきたのであれば、過去問を使って学習することで「学力が大きく伸びる」ことはない状態になっているはずです。
では、過去問からは何を学ぶべきなのでしょうか。
去年や一昨年に出題されたものと同じ問題が出ることはまず間違いなくないはずなのに、何を学ぶために過去問を解くのでしょうか。
それは時間配分や、問題の出題形式(記号選択か、記述か、途中式は必要なのか)です。
受験は全ての問題を解いて、満点近い点数を出さなければ合格できないというものではありません。
9割近い点数を求められる入試形態が存在していないわけではありませんが、そういった事例はレアケースだと考えて良いでしょう。
複数科目の合計点で、全体の7割程度をとれば多くの学校は合格できるはずです。
合格点をとるために、どの科目でどれだけの点数をとれるようにするか、そのためにはどういった問題にどれだけ時間をかけるのか…そうした戦略を立てることこそが直前期に過去問を解く一番の目的なのです。
繰り返しになりますが、順調に勉強が進んでいるのであればこの時期に「学力が大きく伸びる」ことはもうありません。
しかし、正しい取り組み方をすれば「偏差値はまだ大きく伸びる」のです。
冬期講習では今まで類題を見たことがないような難問に取り組むのではなく、偏差値を伸ばすために必要な部分を探し、磨くと良いでしょう。
続く…