意味がある過去問対策と意味がない過去問対策③
④高校受験
高校受験は私立中学受験とかなり状況が近いと考えて良いでしょう。
もちろん、中学受験と比べれば高校受験の方が学ぶ内容や科目は多くなります。
とは言え、体力や精神面の成長を加味すれば大した差ではないでしょう。
私立中学受験と同様に、基本的な設問の解き方を十分に身に付けた終えた後、偏差値が思うように伸びていなかったとしても(周囲の受験生も同じように学力を伸ばしているので、これは当然よくあることです)、過去問演習を行うことで大きく合格点に近づくことができます。
⑤大学受験
大学受験は各科目の範囲が非常に広いため、一定以上の学力が求められる大学の入試では過去問演習を行っても、同じ大学で類型の問題を目にすることはほぼありません。
また、古い年度の問題を解くことで「使い回しのような問題が出題されるかもしれない」と思うかもしれませんが、大学は中学・高校とは異なり教員の数も多いため、毎年(或いは数年ごと)に入試問題をつくる担当が入れ替わります。
そして問題を作る先生方は、ご自身の研究している内容や関心があること、体験したことなどから題材を決めて入試問題を作成します。
(一例として、過去に上〇大学の世界史ではほとんどどの参考書にも載っていないような遺跡を答える問題が出題されたことがあります。この遺跡は世界史的には全く重要ではないのですが、観光では様々なツアーに組み込まれている有名な遺跡でした。この遺跡名が出題された理由は恐らく…)
つまり問題作成の担当によってかなり問題の癖もかわるため、古い問題を遡って解いても傾向などは全く異なります。
無論、過去問の演習によって時間配分や知識の抜け落ちなど、得られる要素はたくさんあります。
しかし、類型の問題が出るわけではない以上、過去問演習を行い、解き方を教えたところで、短期的に合格に大きく近づくような効果が得られないことは明白です。